介護食から見る【3Dプリンター】の可能性とは
デジタルデータから立体物を作り出す3Dプリンターは、近未来的な技術という印象が強かったのですが、実用化が進むにつれて価格も安くなり、今では身近な技術となりつつあります。介護業界でも導入が進み、さまざまな場面で見かけることが増えました。このサイトでは3Dプリンターの仕組みだけでなく、介護業界でどのように活用されているのかを実例を交えて紹介します。
カテゴリ一覧
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3Dプリンターとは?基礎知識を紹介
3Dプリンターは、紙などの平面に文字や図を印刷するプリンターとは異なり、樹脂や金属などから立体物を作り出す機械です。複雑な形も作れるため、個人の趣味から仕事に必要なものまで、幅広い分野で活用されています。例えば、フィギュアや釣りに使うルアー、収納ケースなどの小物類は、デザインやサイズを細かく調整できるので自分好みのものが作れるでしょう。ただし、表面が滑らかなものや透明性の高いものは作れず、安定性に欠けるといった問題点もあります。
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3Dプリンターで介護食が変わる?
3Dプリンターはすでに製造業界や建築業界、医療業界、食品業界などさまざまな分野で活用されており、その活用を進める研究も盛んに行われています。特に、食品業界では未来の介護食を作り出そうと開発が進められています。見た目が普通食と異なる介護食は食欲を減退させ、低栄養素を招くリスクがあります。しかし、食材をペースト状にし3Dフードプリンターで造形した介護食は、柔らかくて食べやすく、食感の調整も可能です。そのため、介護食にまつわる問題を解決できるのではないかと、期待されています。
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介護食だけじゃない!その他の活用事例
介護業界で実用化されている製品を3つ紹介します。1つ目は日常生活に必要な動作をサポートする自助具です。握力が弱い高齢者だけでなく、片手が不自由な人も楽に動作できる、と好評を得ています。2つ目は脚を失った人が装着する義足です。3Dプリンターで製作することで価格が抑えられ、自分に合うものが作り出せるため、今よりも多くの人の手に渡るようになるでしょう。3つ目は介護用ベッドの試作品です。3Dプリンターで内製化することでコスト削減や時間の短縮につながり、開発スピードも上がったそうです。