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介護食から見る【3Dプリンター】の可能性とは

3Dプリンターの事例紹介「義足」

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義足を身近なものへ

義足を身近なものへ

義足の製作に活用

病気やケガなどさまざまな要因で脚を失った人が装着する義足は、値段が高いことや、装着感に問題があることなどから、多くの人の手に渡るのが難しい状況です。しかし、3Dプリンターを活用すればそのような問題が解決できるのではないかと、大きな期待が寄せられています。

そもそも3Dプリンターで製作できるのか

デジタルデータを元に立体物を作り出す3Dプリンターは、樹脂や金属などの材料を何層にも重ねて造形します。義足も立体物の1つなので、理論上は製作可能です。
もし3Dプリンターで義足が作れるようになれば、今までよりも多くの人が義足を手に入れられるようになるでしょう。保険が適用されるとはいえ、義足は決して安価なものではありません。使用するタイプによって違いはありますが、仮義足で大体30万円~80万円前後です。障害者総合支援法では月額37,200円が上限と定められていますが、見た目なども考慮してベースタイプにさらに手を加えるとなると、優に100万円を超えます。自己負担額が大きくなると手が出ない人も出てくるでしょう。
しかし、3Dプリンターで義足が作れるようになれば、鋳造の義足よりも少ない予算で作れるようになります。それに、鋳造の義足はこれまで特定のデザインしかなく、装着時に心理的な圧迫感を与えることもありました。3Dプリンターを使用すれば自分の足のサイズに合うだけでなく、さまざまなデザインの義足を作れるようになります。これまで義足に抵抗があった人も、手に取りやすくなるでしょう。

問題点もある

3Dプリンターによってより多くの人が義足に手を伸ばせるようになりますが、その一方で、印刷方法によっては耐久性や強度が弱くなる、材質によっては悪影響を及ぼす、などの問題点もあります。
積層ピッチなどの設定を誤ると鋳造の義足よりも耐久性や強度の低い義足が出来上がってしまう可能性も否定できません。また、素材によっては鋳造の義足よりも高価になることもあります。例えば、金属粉末を使用して製作する場合は想定している以上にコストがかかる上、品質管理にも限界があります。
このように、3Dプリンターで義足を製作するには解決しなければならない問題もありますが、3Dプリンターを活用することで製作にかかる時間やコストを削減できることも確かです。より多くの人の手に義足が渡るようになることで、「義足=高価で手が届きにくいもの」ではなく、「義足=身近なもの」と意識も変化していくことでしょう。3Dプリンターの活用は今後、必要不可欠となるはずです。