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介護食から見る【3Dプリンター】の可能性とは

3Dプリンターの可能性は大きく広がっている

最新記事食材を用いた「3Dフードプリンター」
可能性は無限大!

可能性は無限大!

時間の短縮やコストの削減につながる

3Dプリンターはデジタルデータから樹脂や金属などを使って立体物を作り出す機械です。素材とプリンター1つあればすぐに立体物を作り出せるので、製造業界や建築業界をはじめ、さまざまな分野で活用されています。データがあれば後はプリンターが印刷するのを待つだけ、と手間もかかりません。業務の負担軽減にもつながるとして注目を集めています。

今の時代に求められていること

ものづくりを革新する技術とされる3Dプリンターですが、近年はSDGsの達成も求められています。そのため、各企業は企業の持続可能性だけでなく、社会や地球の持続可能性にも貢献するビジネスモデルを立ち上げることを考えていかなければなりません。
積層して立体物を造形する3Dプリンターは、廃棄物を出さないものづくりができます。最近は食品業界への導入も進んでおり、食品ロスの減少だけでなく、自然環境への負荷が少ない食材を生み出す技術としても注目されています。特に、介護業界では個々の状況に合わせて形状を変える必要がある介護食に3Dプリンターの技術を応用できるのではないか、と考えられ、開発も進められています。上手くいけば、要介護者の食欲増進や賞味期限切れによる食材破棄といった問題を解決でき、食品ロスも減少できるでしょう。「3DプリンターはSDGsの達成に貢献できる」といっても過言ではありません。

3Dプリンターで作る介護食とは

山形大学では3Dプリンターを利用して、これまでとはまったく異なる介護食の開発に取り組んでいます。一般的に、3Dプリンターの技術は建築模型や金属部品、プラスチック製品の試作品などに使われています。細かい部分や複雑な形も再現でき、柔軟に造形しやすいのが特徴で、プリンター本体と材料さえあればすぐに製作できます。そのため、山形大学ではデジタルデータを元にペースト状の材料を1層ずつ重ねていくことで、実際の食事の見た目に限りなく近いものが再現できるのではないか、と考え、介護食の研究・開発を進めています。
例えば、かぼちゃの煮物を作るとしましょう。かぼちゃの実の部分にはオレンジ色のペースト、皮の部分には緑色のペーストと2種類のペーストを使い、実の部分と皮の部分を別々に印刷することで、より「かぼちゃらしさ」を再現できます。
ただし、3Dプリンターは一層ずつ積層して立体物を造形するため、ある程度の粘度がないと成形ができません。粘度を出すために米粉を混ぜていますが、どうしても餅のような風味になってしまうのが課題だそうです。