介護食の問題点とは?
調理に手間がかかる
咀嚼や嚥下機能が低下した高齢者も食べやすいように工夫されている介護食ですが、個々の状態に合わせた食事を提供するのは意外に大変です。きざみ食は細かくきざまなければなりませんし、ミキサー食は形がなくなるまでミキサーにかけなければなりません。普通食よりも手間がかかるため、調理担当のスタッフの負担が大きくなります。
同じメニューになりがち
栄養士のいる介護施設ならば、バランスの整ったメニューを組み立てられます。しかし、介護スタッフがメニューを組み立てると同じ食材を使ったり、決まったメニューを繰り返したりしがちです。同じようなメニューが続いてしまうと飽きてしまいます。メニューのバリエーションを増やすことも意識しなければなりません。
食べてくれない
加齢とともに嗜好が変わるため、食べられるものも限られてきます。食欲がなくなり、しっかりとした量を食べられなくなる人も少なくありません。さらに、咀嚼・嚥下機能が低下した場合、きざみ食やミキサー食のような介護食を提供しますが、その見た目が普通の食べ物とは異なるため、自分が何を食べているのかわからなくなり、食欲が落ちる人もいます。どうすれば食欲が湧くのか、個々の状態に合わせて工夫する必要があります。
低栄養になる可能性もある
咀嚼・嚥下機能が低下したり、入れ歯が合わなくなったりすると、食べられるものが限られます。食べる量も減少してしまいますが、そうなると健康を維持するのに必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取できなくなり、低栄養に陥りやすくなります。栄養不足にならないように日頃から注意しておかなければなりません。高齢者の場合、栄養不足の状態が長く続くと、寝たきりや要介護になる可能性が高まります。寝たきりになるのを防ぐためにも、栄養バランスのとれた食事を提供するように心がけましょう。
介護食の問題を解決する上で有効な手段
介護食は機能と栄養の両面を考慮しながら個々の状態に合わせて提供していますが、上記で示しているような問題もあります。それらの問題を解決するのに有効な手段が、「3Dフードプリンター」です。3Dフードプリンターは硬さや栄養素の調整が柔軟にでき、見た目や食感、味のバリエーションを再現することはもちろん高齢者の消化・嚥下能力の低下を抑えることも可能です。機能や好みに応じた介護食をスムーズに提供できるようになるでしょう。現在はまだ研究段階ですが、これから先の介護食に改革をもたらすと大きな期待が寄せられています。