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介護食から見る【3Dプリンター】の可能性とは

3Dプリンターにもできないことがある

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制約があるのでできないことも

制約があるのでできないことも

間違った認識を持っている人も多い

3Dプリンターが登場した当初は、夢のような技術として話題になりました。そのため、多くの人が「何でも簡単にできる」という認識を持っていますが、3Dプリンターは魔法の箱ではありません。3Dプリンターにもできないことがあります。どんな制約があるのか、以下で詳しく説明します。

「表面がザラザラ」

FDM方式の3Dプリンターは、溶かした樹脂を一層ずつ積み上げていきます。しかし、この原理ではどうしても表面に縞模様ができてしまい、ザラザラした質感になってしまいます。積層のピッチを0.3mmや0.5mmに設定することは可能ですが、ピッチが細かくなればなるほど時間もかかり、コストも高くなるため、最小ピッチに設定することはほとんどありません。それに、最小ピッチに設定しても細かい縞模様はできるので、最小に設定する意味はないでしょう。画像のドット数が少ない昔のファミコンのような荒い画像になるのも、原理上、仕方がないことです。

「透明な素材は作れない」

3Dプリンターで使用できる材料の中に透明な樹脂はありますが、出来上がった立体物の表面はザラザラしているため、透明にはなりません。すりガラスを思い浮かべてみてください。すりガラスは表面に微細な凹凸をつけることで透明度を下げていますが、それと同じ原理です。液状の光硬化性樹脂をレーザー光で固めて積層する3Dプリンターであれば、凹凸がなく表面が滑らかなので、透明に近くはなりますが、仕上がりはどうしても黄色っぽくなってしまいます。現段階の技術では、3Dプリンターでクリスタルガラスのような高い透明性と輝きのあるものは作れません。

「安定性に欠ける」

何も考えずケーキにクリームを絞っても垂れて落ちてしまうだけですが、3Dプリンターも同様です。溶かした樹脂を表面に乗せるため、積層する方向を考えないと形が安定しません。頭が大きく張り出していたり、積層方向に穴が開いていたりすると、重力に引き寄せられて不安定になります。このような場合はサポート材で支えなければなりませんが、その分、材料が増え、手作業でサポート材を取り外す手間もかかり、コストが高くなります。最近はサポート材として水溶性の樹脂材料が使用されていますが、原価が高いため、現実的ではないでしょう。

便利なツールであることは確か

3Dプリンターは何でもできる魔法の箱ではありません。上記のような制約もあり、外観や最終的な強度を確認するには不向きな面もあります。しかし、今までよりも安価かつ短時間で実現できることは間違いないでしょう。